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ウフィッツィやルーブルもいいけれど、フランスのコルマールにあるウンターリンデン美術館とイタリアはミラノにある、このブレラ絵画館は、絵に少しでも興味のある人ならば、絶対に行ってみるべきだ。
第一、人がほとんどいないので、チケットを買うのに2時間待ち…なんて無縁だし、それほど大きくは無い館内なので、思う存分時間をかけてゆっくり見ることができる。(ウンターリンデンは、チョット、人多いかも…それでもウフィッツィなどとは比べ物にならないくらい少ない。) 200年の歴史のあるこの絵画館、先ず敷地に入ると、中庭があり、そこにナポレオンのブロンズ像。 どうして、ナポレオンなのかと思い、調べたら、収蔵作品には、ロンバルディア、ヴェネト、ロマーニア、マルケというナポレオンによって征服された地域に由来する、おびただしい数の祭壇画が展示されているからだそうだ。 主に15世紀以降の国内外の作品。 同じ敷地内だと思うが、美術アカデミーもあって、19世紀中に、ここで学ぶ画学生の為に、過去の作品を集めたそうだ。 なんとも贅沢で、質の高いアカデミーだ。 実際、5年前に行った時は、ナポレオンの下で、ロンゲのむさい格好をした、石膏まみれの画学生らしき青年2人が、なにやら白熱した論議を戦わせていたのを覚えている。 その中でも、一番印象に残っているのは、縦347cm横770cmにも及ぶ、巨大な絵だ。 「エジプトのアレキサンドリアでの聖マルコの説法」は、ジェンティ・ベッリーニが製作を始め、彼亡き後を兄弟のジョヴァンニ・ベッリーニが引き継いだ。 まるで、舞台のセットを観ている様だった。 細部にわたり、丁寧に描かれたこの絵、きっと画学生には、格好の題材に違いない。 後、もう一つ、これは、この絵画館のチケットの絵にもなっていたが、アンドレア・マンテーニャの「キリストの死と3人の嘆く者たち」だ。 これは、マンテーニャが自分の墓に置くために描いたのではないかという説があるらしい。 絵を載せられないのが残念なのだが、十字架から降ろされたばかりだろう、横たわるキリストを、大胆にも、足からのアングルで描いている。 観るものに一番近いのは、キリストの足の裏で、そこには、生々しい釘の穴のあとが、まるで写真のように、鋭い観察力を持って、描かれている。 しばらく言葉が出なかった。 他にも、あげれば、枚挙に暇が無いが、押しなべて、アカデミーを少なからず意識した、デッサンの鋭い作品や、構図の面白い作品が多いように感じた。 順路通りに歩いていくと、最後の方に、19世紀~20世紀の作品群があり、フランチェスコ・ヘイズの「口づけ」がある。 男性は、左足を階段にかけ、自分の体制を整えてから、両手で女性の顔をしっかりと支え、力強く女性の唇に、キスをしている。 情熱的なあまり、女性の手は、男性の肩にかけてはいるものの、体はのけぞり、今にも後ろに倒れそうだ。 女性のドレスは、水色のサテン。 中にパニエをはいているのが見て取れる。 スカートの皺まで、くっきりと描かれ、わずか1㎡のスペースで、これだけ説得力のある表現ができることに、ただ、ただ、感嘆のため息。 大好きなモランディの作品も結構あった。 この経験は人生の大きな収穫だった。 コルマールのウンターリンデン美術館については、改めて、また後日。
by sunagimo-confit
| 2010-09-03 02:15
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